【ラスベガス(米ネバダ州)8日(日本時間9日)=四竈衛】「千賀争奪戦」がスタート-。今オフ、海外FA(フリーエージェント)権を行使し、メジャー移籍を目指すソフトバンク千賀滉大投手(29)の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏が8日(日本時間9日)、同地で始まったGM会議の会場で今後の見通しについて語った。

メジャーの全日程が終了したことに伴い、FA市場が解禁となり、本格的な交渉がスタート。同氏は「千賀はMLBでも有名で、これまでに多くのチームがポスティングされるかを尋ねてきたし、長い間、スカウトし続けていた」と背景を説明。今回、正式にFAとなったことで、興味を示す球団は「まだ始まったばかりだが、多くのチームになるだろう」と語った。

同氏は「先発ローテーションの3番手以内」と位置付け、千賀の希望として「プレーオフへ勝ち進み、ワールドシリーズで勝つことを助けられる」と、特定の地域ではなく、優勝争いができるチームを最優先に挙げた。現時点では、パドレス、カブス、ジャイアンツ、レッドソックス、レンジャーズなどが興味を示しており、今後は、デグロム(メッツ)、カーショー(ドジャース)ら大物FA投手の移籍先次第で有力球団が続々と参戦する見込み。一部の米メディアでは4年総額8000万ドル(約120億円)前後とも予想されており、計10球団前後の争奪戦となりそうだ。

同氏は、育成ドラフト出身初のメジャーリーガーとなる千賀の強い精神力と前向きな性格にも注目。「彼はユーモアのセンスもあるし、恥ずかしがらない。英語が話せなくても、すぐに米国のクラブハウスに溶け込むだろう」。最終的には、千賀自身が渡米して決断する見込みで、12月上旬に行われるウインターミーティング前後まで、各球団の激しい攻防が続きそうだ。