ドジャース大谷翔平投手(31)が、年を重ねるごとに二刀流の価値を高めている。18年にメジャー挑戦し、エンゼルス時代から投打でプレーできる能力を証明。門戸を開いた一方で、二刀流増殖にはつながらず、むしろ逆転現象で希少価値が高まっている。強豪テネシー大で二刀流選手を育成した経験があるジャイアンツのトニー・ビテロ監督(47)は、いかに体調管理が難しいかを指摘。なぜ、トレンドにならないのか。敵将として大谷と対戦する中で、持論を語った。(取材・構成=斎藤庸裕)

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二刀流経験者のギルバートが、大谷へ敬意を示した。テネシー大時代は、投手と外野手を兼任。公式戦の成績は投手として11試合で2勝0敗、防御率2・76の結果を残し、打者では141試合で打率3割1分4厘、22本塁打、140打点。二刀流でプレーしていた当時を思い返し、「本当にやることが多いんだ。毎日、二つのポジションをこなさないといけない。体への負担が大きい。時間がたつにつれて消耗していくし、それをどう管理するか、コンディションをどうコントロールするかを理解しないといけない」と語った。

大学のトップレベルで実際に二刀流としてプレーしたからこそ、その厳しさを理解できる。「腕や脚の一部に特に強い張りや痛みを感じることはもちろん、それ以外の部分や神経系全体もかなり疲労している」。先発で球数が増えれば、比例するように負荷がかかる。「だから先発投手には5日の登板間隔がある。それは回復するためなんだ」。

大学2年のシーズンを終え、自ら二刀流を断念した。「打者としての能力がどんどん伸びていって、自然な流れで最終的には野手寄りになっていった」。そして今、ライバル球団の選手の立場から、メジャーレベルで二刀流を続ける大谷を見て、言った。「正直、オオタニがどうやっているのか、本当に分からない。超人的。脱帽だよ」。

◆近年、注目された主な二刀流選手 

大谷がメジャー挑戦した18年、レイズの若手左腕ブレンダン・マッケイが二刀流として育成されていた。19年に投手として13試合で2勝4敗、防御率5・14、打者では7試合、11打席で打率2割、1本塁打とインパクトを残せなかった。

現在ロッキーズで活躍するマイケル・ロレンゼン投手(34)は、レッズに在籍していた15年~19年にかけて、投打の二刀流でプレーした。打者で最も多く打席に立ったのは19年の53打席で、打率2割8厘、1本塁打に終わった。20年と21年は1打席のみ。以降は投手に専念となった。

大谷がエンゼルスに在籍していた当時の同僚ジャレド・ウォルシュ内野手(32)も二刀流に挑戦。19年は5試合に登板し、防御率1・80の成績を残したが、20年シーズン以降は打者に専念した。21年に自己最多29本塁打を放ったが、好成績を継続できなかった。また、21年10月に当時レッドソックスに在籍していた外野手のアレックス・バードゥーゴが二刀流挑戦を宣言したが、投打でプレーすることはなかった。