WBCで日本代表入りが確実となっているラース・ヌートバー外野手(25)は、1997年9月8日、米カリフォルニア州生まれ。

父チャーリーさんは米国人。母エノキダ・クミコさんが日本人。ミドルネームは「テイラー・タツジ」。兄ナイジェルは東京生まれで、14年ドラフト12巡目(全体361位)で投手としてオリオールズ入りしている(メジャー登板はない)。曽祖父のハーバートさんは著名な実業家でオランダの野球リーグにも出資していた。

ラースは殿堂入り内野手のジョージ・ブレットと同じエルセグンド高で、野球とアメリカンフットボールの両方で複数回MVPに輝いた。南カリフォルニア大に進学。大学時代は昨年、DeNAに在籍していたブルックス・クリスキー投手とチームメートだった。

18年ドラフト8巡目(全体243位)でカージナルス入団。マイナー生活を送り、新型コロナウイルスで開催が消滅した20年シーズンは、航空宇宙エンジニアリング会社で穴開けなど戦闘機のメンテナン作業で肉体労働に励んだ。

21年6月にメジャー昇格。58試合に出場し、打率2割3分9厘、5本塁打、15打点、2盗塁、OPS・739だった。22年は108試合に出場し、打率2割2分8厘、14本塁打、40打点、4盗塁、OPS・788。珍しい名字で打席に入ると「ヌーート!」と声援を送られる人気者だ。

メジャー通算では166試合で399打数92安打、19本塁打、55打点6盗塁、OPS・775。パワーあふれる打撃で昨年12月の練習では打球速度109・2マイル(約176キロ)を出すなど、23年はブレーク候補と見られている。

190センチ、95キロ。右投げ左打ち。外野は全ポジションをこなす。高校時代は遊撃手だった。

○…ヌートバーとのコミュニケーション方法について、栗山監督は「僕が英語をしゃべる努力をしていきます。(本人は)英語がベース」と話した。母クミさんからは「それ(代表合流)までに、しっかり日本語を伝えておきます」と言われたという。また、ヌートバーの人柄を問われると「直接話したら100%、全員が好きになる。愛すべき人柄」と、ナイスガイであることを強調した。

▽侍ジャパンの予想スタメン

1番左翼 吉田正尚

2番DH 大谷翔平

3番右翼 鈴木誠也

4番三塁 村上宗隆

5番二塁 山田哲人

6番中堅 ラース・ヌートバー

7番一塁 牧秀悟

8番捕手 中村悠平

9番遊撃 源田壮亮