開幕投手を務めたエンゼルス大谷翔平投手(28)が「3番DH兼投手」で出場し、投手では6回2安打無失点、10奪三振の力投を見せた。打者では3打数1安打だった。

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マウンド上で、これまでとは違ったしぐさをする大谷翔平も見られた。1回、先頭打者に2球投げた後に捕手のオハピ-からタイムをとられた。「最初は聞こえていたんですけど、その後、聞こえなくて(捕手による)手のサインに変えてっていう感じでした」と振り返り、サイン伝達の電子機器「ピッチコム」に不具合が発生するハプニングがあったことを明かした。

今季から「ピッチクロック」が導入され、走者なしの場合は捕手の返球を受けてから15秒以内、走者ありでは20秒以内に投球モーションに入る必要があり、捕手のサインに首を振ればタイムロスとなる。これを防ぐためにも大谷は「ピッチコム」を有効に活用している。その姿について、ESPNのジェフ・パッサン記者は「驚くべきことは、ボタンを見ないでサインを伝達している」と指摘。大谷は捕手から返球を受けるとすぐに、左肩から肘付近につけられている装置のボタンを押す。ユニホームで隠れているため、キーパッドの位置と球種を記憶しなければ、不可能なことだ。

完璧に使いこなしていたせいか、思わぬ事態にもなった。5回終了後、水原通訳を介して審判と会話を交わし、うなずくシーンがあった。「基本的に打者がこっち(投手)を見てからというか、微妙なところですけど。最後の回はいいと言われたので、そこら辺を注意して、やってくれという感じでしたね」。リズムよく投球していたが、間合いが早すぎた…。今季ならではのシーンとなった。【斎藤庸裕】