今夏のトレードでそれぞれメッツから他球団へ移ったマックス・シャーザーとジャスティン・バーランダー両投手。ともにサイ・ヤング賞3回受賞の剛腕の契約にはノートレード条項(全球団へのトレード拒否権)が付帯していたが、それを破棄しての移籍だった。その背景について、シャーザーが1日にコメントした。

今回レンジャーズに移ったシャーザーだが、自分がトレードされることになるとはまったく予想していなかったようだ。だが、メッツでの最後の登板後にビリー・エプラーGMと話をしたと明かし、その際に「『球団は今、ビジョンをシフトしているようなところで、2025年と26年に優勝を狙うチームを目指している。24年は再起動の年ではなく、移行期になる』と言われた」と話した。

メッツは今季、ワールドシリーズ優勝を目指して開幕を迎えたものの、現実は厳しく苦戦中。エプラーGMの話は、オーナーのスティーブ・コーエン氏から当初聞いていた話とは違ったため、シャーザーは同氏に連絡したが、回答は同じ。シャーザーは「それがメッツのビジョンだと判明したので『そういうことなら分かりました。ノートレード条項を破棄します』と伝えたんだ」と経緯を説明した。

同僚のバーランダーはトレード期限目前に古巣アストロズへの復帰が決まったが、以前、ノートレード条項を破棄する用意があるかと報道陣に問われた際に「メッツが2024年をどう見ているかによる」と答えていた。シャーザーは「ふたりで話をして、メッツのビジョンが変わったんだと最終的に理解した」とコメント。「計算が変わったんだ。(エプラーGMとコーエン氏は)プロスペクトとの交換を望んでいた」と、球団側のビジョンが変わったと話している。(AP)