【サプライズ(米アリゾナ州)2月28日(日本時間同29日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、自身の結婚発表前にもビッグサプライズを演出した。レンジャーズとのオープン戦には出場しなかったが、キャンプ地で調整を終えると、水原通訳とともに自家用車で敵地の球場へ直行。山本由伸投手(25)の初登板前のブルペン投球を見守り、ハイタッチを交わし、後輩の堂々たる投球に拍手を送った。次戦はド軍のキャンプ地グレンデールで、1日(日本時間2日)のガーディアンズ戦に出場する予定だ。

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敵地の球場でひときわ大きな歓声が上がった。大谷は、山本の投球練習が行われているブルペンへ走って行った。コーチ陣らとネット越しに見守り、ハイタッチの儀式にも参加した。試合中もベンチで山本の投球に熱視線を送り、力投には笑顔で拍手。「まずまずだな」と大谷流の辛口評価を与えたが、後輩の初登板を見守る姿にロバーツ監督は「なんていいチームメートなんだ」と、朗らかな表情で大谷の行動をたたえた。

山本も「まさか」のサプライズだった。大谷はこの日、ド軍のキャンプ地で個別調整を行っていた。オープン戦の出場メンバーではなく、午前11時前には練習を終え、私服に着替えた。滞在先へスポンサー契約を結ぶ自家用車のポルシェで帰るのかと思いきや、約25分のドライブで敵地レンジャーズの球場へ直行。再びユニホームに着替え、後輩の山本が迎える節目を共有した。地元放送局「スポーツネットLA」の女性レポーター、キルステン・ワトソンさんによると、大谷は山本をサポートしたい気持ちを示したかったという。

自身は1年目、オープン戦で結果が出ず、投打で苦しんだ。当時マリナーズで現役選手だったイチローら日本人メジャーの大先輩から助言をもらい、開幕では鮮烈デビューを果たした。時を経て、今度は大谷の出番。先駆者の経験を聞けるありがたみを理解し、日本文化ともいえる先輩と後輩の良き関係性を継承する。キャンプ序盤では、山本の2度目のブルペンを後方からチェック。その後、2人並んで歩きながら、野球談議を交わした。クラブハウスもロッカーが隣で、山本にとって頼もしい存在だ。

大谷と山本のコンビに、ロバーツ監督も目を細める。「やらなくてもいいことだったのに、同僚をサポートするためにここにきた。ショウヘイはよく楽しむし、とても素晴らしい関係性を築いていると思う。お互いのことを知っていて、WBCの時だけでなく、今はチームメート。互いに高め合っていくだろう」。大谷が打ち、山本の勝利をアシストする。最高の形が実現するのも、そう遠くない。