【アーリントン(米テキサス州)16日(日本時間17日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、4度目の出場となったオールスターで歴史的初アーチを飾った。ナ・リーグの「2番DH」で出場し、第2打席で右翼へ先制3ラン。MLB公式のサラ・ラングス記者によると、球宴で勝利投手(21年)と本塁打を記録したのは史上初だという。日本人選手としても07年ア・リーグのイチロー(マリナーズ)以来となる17年ぶり2本目の1発で初の柵越えとなった。野茂英雄が95年に日本人で初めて夢舞台に立ったアーリントン。29年ぶり開催の同地で、世界のヒーローとなった大谷が新たなドリームを体現した。
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かち上げた打球を見上げ、確信歩きから走り出す姿は変わらなかった。だが、大谷のはしゃぎようは少し違った。スター選手が集結する祭典で先制3ラン。三塁ベースを周りながら見せるお決まりの「フレディ・ダンス」では、いつもよりやや大きめに左右の手を横に振った。「やっぱりゲームは今日楽しかったですし、そこで打てたことが一番、自分にとっては特別な瞬間でした」。初のオールスター弾は、シーズン中とはひと味違う感覚だった。
チケット完売の3万9343人、満員で埋まったファンから求められる打撃は十分、理解していた。その期待に応える豪快弾。出場4年目、通算8打席目での初本塁打に「なかなかある機会ではない試合で、1本を打ってみたいなって。自分の中で1つ、ホッとしたのはあります」と、安心感があった。いつもは敵軍として戦う選手から「ナイススイング、グッジョブ(いい仕事)」と、ベンチで祝福されるのも新鮮なこと。自然と笑顔があふれた。
試合前のルーティンは変えず、普段通りを心がけた。それでも「敵チームの選手たちとできるのは特別。ここに選ばれるような、レベルの高い選手たちと一緒にできるってことは特別だなと思います」と貴重さが身に染みた。周りを見渡せば他球団のスター選手がそろう。「その中でもハーパー選手は一緒にケージワーク(室内での打撃練習)したり、試合前にどういう練習してるのか見たりしてたので、すごく勉強になりました」。同じ左打者でもあるフィリーズの主砲から準備面で学び、吸収できたのも球宴ならではだった。
ナ・リーグは逆転負けを喫し、MVP獲得はならなかった。前夜祭のホームランダービー観戦、記念撮影、真美子夫人とともに初めて家族で参加したレッドカーペットショー、オールスター戦と慌ただしくもあったが、年に1度の祭典を目いっぱい楽しんだ。休養を挟み、19日(同20日)からレッドソックス戦が始まる。「いい休日を過ごして、また後半戦しっかりといい野球ができる準備がしたい」。穏やかな表情で、充実感たっぷりだった2日間を終えた。
▼大谷が球宴初アーチ。日本人では07年ア・リーグのイチロー(マリナーズ)に次いで17年ぶり2人目。イチローはランニング本塁打だったため、柵越えは初となる。ドジャース選手の本塁打は96年ピアザ以来28年ぶり10人目で12本目。大谷は21年に勝利投手となっており、白星&本塁打は史上初。
▼ナ・リーグの得点は、大谷の3ランのみ。四球での出塁も1回の大谷のみ。オプタスタッツによると、チームの全打点と全四球を稼いだ選手は初めて。
○…大谷が着用した茶色のスーツ、真美子夫人の白いパンツドレスはともにHUGO BOSS製だった。ヒューゴボスジャパンによると、大谷のスーツは裏地にデコピンが描かれた特注品。裏地などの特注は別として、体形に合わせた「BOSS Made to Measure」シリーズは2ピースで41万5000円から。
▽オリオールズ・バーンズ(双子の娘が生まれたばかりで先発し、1回無失点。大谷には四球)「ショウヘイを歩かせたけど、楽しかった。家族と12時間離れることも大変だが、来てよかった」
▽レッドソックス・ホーク(大谷に本塁打を浴びる)「スプリットが真ん中に入ってしまった。大谷は仕事をした。もう少し低くか、外角に投げるべきだった」



