【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)23日(日本時間24日)=斎藤庸裕、久保賢吾】ドジャース大谷翔平投手(30)が、日本人初のサヨナラグランドスラムを放ち、メジャー史上最速で「40本塁打&40盗塁」を達成した。
レイズ戦に「1番DH」で出場し、4回に二盗に成功。自身初の40盗塁到達で「40-40」にリーチをかけ、同点の9回2死満塁から劇的すぎる1発で史上6人目の偉業を成し遂げた。自身のパフォーマンスが勝利に直結し、チームは5連勝。ド軍移籍後、最高の瞬間となった。
◇ ◇ ◇
大谷は顔をくしゃくしゃにして、何度も笑った。喜びがこみ上げ、止まらなかった。地鳴りのようなファンの歓声に、スタジアムが揺れた。拳を掲げ、スタンディングオベーションに応えた。「いやもう、本当にうれしかったですね。何より、もう1試合1試合、大事なので。勝てたのがうれしかった」。響き渡るMVPコールの合唱。ヒーローインタビューでは背後からウオーターシャワーの祝福を受け、「うぉーっ」と絶叫した。全部が、最高だった。
こんな結末を自分でも想像できなかった。4回に40盗塁目を決め、王手をかけた。導かれるように巡ってきた9回2死満塁。快挙達成をサヨナラ本塁打で思い描く「そんな余裕はなかった」と無我夢中だった。
「安打でも四球でもいい」。走りながら半信半疑だった打球は伸び、右中間フェンスを越えた。昨年のWBC決勝を思い起こさせる、ドラマチックな舞台をなぜか引き寄せる。野球の神様が描いたとも思える劇的なシナリオとなった。「最後に打てて、ドジャースに来てから一番の思い出になってると思います」。格別な瞬間に酔いしれた。
余韻が冷めないまま臨んだ試合後の囲み取材では、シーズン中では見たことがないほどの澄み切った笑顔だった。過去6年間、すさまじいパフォーマンスをしても勝ちに結びつかないことがあった。だから40-40が迫っていても「何本ぐらいかなとは知っていましたけど、それが目的にならない。勝つための手段として、盗塁もそうですけど、しっかりやりたい」と数字に踊らされることはなかった。
今季は個人の結果が勝敗にも直結する。「今日も最後、僕は打ちましたけど、そこまでのチャンスを作ってくれる作業が必要なので。そういう人たちのおかげで、今日打てたのは自信になりますし、自分の役割をまずしっかりやりたい」。活躍の裏に仲間の奮闘あり-。どこまでも謙虚だ。
投打の二刀流としてスポーツ史上最高額の契約を交わし、当然のように結果を求められるプレッシャーと闘ってきた。さらに右肘のリハビリで打者専念の逆境もはねのけ、最強打者の称号を得てしまう強さが大谷翔平の真骨頂だ。「50-50」達成の可能性もあるが、次なる目標は「ポストシーズンに進出して、ワールドシリーズに勝つのが一番」と言い切った。想像を超えてくる「SHOWTIME」。逆転サヨナラ本塁打で世界一のシナリオがあっても、おかしくない。



