【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)28日(日本時間29日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が今季初黒星を喫した。マーリンズ戦に投手専念で先発し、6回5安打2失点(自責点1)。今季最多104球の力投も打線の援護がなかった。チームの連勝は3でストップした。この日は試合前から今後の起用法に関する議論が白熱。投手専念か、リアル二刀流か-。それぞれのメリット、デメリットを検証した。
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初黒星を喫した大谷は試合後、投手専念に対する前向きな捉え方を繰り返し口にした。強調したのは健康な状態を維持すること。「チーム全体の疲労も考慮しながら全員でケガなく、なるべく10月に向けてフルな状態で入れるのが理想」と語った。ポストシーズンで状態が不安定になれば、3連覇の夢が遠のく。そのリスクを回避し、万全で臨むには投手専念を定期的に組み込むのは得策と言える。
自分自身だけではない。「DH」のスポットは基本的にリーグ最強打者の大谷が占有する。一方で、他球団では守備の負担がなくなるDHは“休養”の意味合いもある。大谷が投手専念となる場合は、ド軍でもそのメリットを生かせる。「フロント(球団の編成部門)の人たちも含めて全員が、一人ひとり、僕だけじゃなくてそういう体調の管理、運動量の管理も含めて全員がやってるところだと思うので、そこは信頼してますし、やれる時にしっかりプレーしたい」と、組織の全体像を見据えた。
不利に働くとすれば、得点力の低下と打線の脅威が薄れること。かつて大谷は失点したとしても打者で取り返せることに二刀流のメリットがあると語っていた。そこに対するもどかしさは感じるのか。「あんまり打線に貢献できなかったというよりかは、(投手として)悪い流れを攻撃面に持ち込んでしまったのかなという反省点はある」と語り、どこか煮え切らなかった。ロバーツ監督は「今後も彼が、投手専念を望むかと言えばおそらく『ノー』だろう」とコメント。球団と本人の意向の間にも、バランスが必要となりそうだ。
▼ドジャース大谷は今季初黒星も、6回を5安打2失点、自責点1と好投した。オプタスタッツによると、シーズンの先発5試合目まで全試合で最低6回を投げ、全て5安打以下、全て自責点1以下、被本塁打0は、自責点が公式記録となった1913年以降で初めて。
▼規定投球回に達し、防御率0.60は両リーグ1位。MLBのラングス記者によると、ドジャースで先発5試合目では81、85年バレンズエラ(0.20、0.21)、72年サットン(0.42)、1926年ペティ(0.57)に次ぐ球団史上5位。
▼中5日での登板は昨年6月28日以来で今季初。投球数104は、ドジャース移籍後最多。23年の右ひじ手術後に100球以上は、昨年のリーグ優勝決定シリーズ・ブルワーズ戦の100球に次いで2度目。公式戦では初めて。
▼9三振を奪い、通算奪三振が700に到達(704)。日本人で10人目。
▼ドジャース大谷が2回、盗塁した走者を刺そうと二塁へ悪送球。大谷の失策はエンゼルス時代の23年5月7日に投ゴロを一塁へ悪送球して以来、3年ぶり通算3個目。連続守備機会無失策は30で止まった。前回失策も本拠地でのマーリンズ戦だった。メジャー9年間の通算では78の守備機会に3失策で、守備率9割6分2厘となった。日本時代、投手での守備率は通算9割7分6厘だった。



