【ニューヨーク11日(日本時間12日)=大塚仁】オリオールズ上原浩治投手(34)のメジャー1年目が終わった。右ひじ靭帯(じんたい)損傷で故障者リスト(DL)入りしながらチームに帯同していたが、ヤンキース戦の前にデーブ・トレンブリー監督(57)と会談。回復が思わしくない現状を訴え、今季の残り試合には登板しないことが決まった。早期にチームを離れボルティモアに戻るが、日本への帰国許可も出ている。2年1000万ドル(約9億円)で契約した1年目は12試合に登板して2勝4敗と不完全燃焼のまま幕を閉じた。

 上原は自らの手でデビューイヤーの幕を下ろした。トレンブリー監督との直接会談で「ひじにまだ違和感があり、思いきり投げられない」と報告。再度の投球練習には1週間程度のノースロー期間を挟みたいという希望も伝えた。今季中の復帰を希望していた同監督も「それでは間に合わない」と断念。「準備ができていないということなので自宅に戻すことにした。日本に帰ることもできる。不運だったとしか言いようがない」と失意の表情を隠さなかった。

 上原は「今投げたところで何も貢献できないっていう自分の判断でもあります。だったらいない方がいい。万全の状態にならないと自分が後悔する」と言い切った。今後はヤンキースとの3連戦終了を待たずにチームを離れ、自宅のあるボルティモアで個人トレーニングを再開する。帰国許可も出ているが「すぐに(帰国)はないと思います」と時期は未定とした。結局、右ひじを痛めた6月23日のマーリンズ戦が今季最後の登板となった。

 「勝つことが目標」と勇んで乗り込んだメジャー1年目は、登板12試合2勝4敗、防御率4・05で終わった。2度のDL入りもあり、投球回数66回2/3は目標としていた200イニングのちょうど3分の1。「悔しいのひと言。多分帰ったら暴れると思います」と無念さを口にした。ただ「楽しい部分もかなりありましたし、来年にこの悔しさを生かせればいいなと思ってます」と切り替えも早かった。しかし期待を裏切った分だけ、契約2年目を迎える立場は厳しいものとなった。