<マリナーズ3-6エンゼルス>◇13日(日本時間14日)◇セーフコフィールド

 マリナーズのイチロー外野手(37)が、足で全開近しをアピールした。中前打で出塁した1回。カウント3ボールからの4球目に二盗を決めた。5回には三塁前にセーフティーバントを決めて出塁。3ボール1ストライクから鮮やかに二塁を陥れた。いずれも、打者優位のカウント。四球になる可能性も高く、セオリーでは走りにくい場面だったが「そんなことも初めてじゃないんじゃないの」。3ボールから仕掛けた判断について聞かれたイチローは素っ気なかった。

 走者にとっては盗塁を試みにくいカウントだが、イチローには仕掛ける理由があった。3ボールからの1回は、打者を四球で歩かせたくないというバッテリー心理からすればウエストボールはなく、成功率は高い。5回の盗塁は3-2と勝ち越した直後だった。成功すれば好機は広がり、仮に失敗しても、次の6回の攻撃は3番から始まるという読みもあっただろう。勝つため、得点に近づくため、イチロー流の選択だった。

 今季4度目、通算では57度目となる1試合複数盗塁でメジャー通算400盗塁に王手をかけた。日米通算では日本歴代2位の広瀬叔功(南海)を抜いた。1番打者として出塁し、効果的な盗塁を積み重ねてきた結果だった。

 初回先頭での安打は6月1日オリオールズ戦以来11試合ぶりでもあった。4月以来となる今季3度目の3試合連続の複数安打をマークするなど上向いてきた。全開で臨める状態にイチローは確実に近づいている。(シアトル=木崎英夫通信員)