<ア優勝シリーズ:レンジャーズ15-5タイガース>◇第6戦◇15日(日本時間16日)◇レンジャーズボールパーク

 【アーリントン(米テキサス州)=四竈衛】ア・リーグ優勝決定戦の第6戦が行われ、レンジャーズ(西地区1位)がタイガース(中地区1位)を4勝2敗で退け、2連覇を遂げた。ア・リーグでの連覇は、98~01年に4連覇したヤンキース以来。上原浩治投手(36)建山義紀投手(35)にとって初のワールドシリーズ(19日=同20日)では、「カージナルス対ブルワーズ」の勝者と対戦する。

 シャンパンの味が、くじけそうになっていた上原の心を奮い立たせた。連覇に沸く同僚の姿を背に、ハッキリと言った。3戦連続で本塁打を浴びた第5戦の試合後は、ロッカー室で悔し涙を流した。だが、いつまでもうつむいているわけにもいかない。「シーズン中は良かったのに、このプレーオフの3試合で成績すべてが消えた感じになった。もう1回、チャンスがほしい。それが本音です」。

 第2戦でプレーオフ初のマウンドを踏んだ建山は、上原とはひと味違う感覚で歓喜の輪に飛び込んだ。5月下旬にメジャーに昇格して以来、リーグ屈指の救援陣の一角として39試合に登板。「念願の登板もできましたし、チームのために何か力になりたいと思っていました。ワールドシリーズではロースターに入れるかどうか分かりませんが、大きな経験、財産になると思います」。

 01年まで4連覇したヤ軍以来のア・リーグ連覇は、メジャー屈指の厚い選手層でつかみ取った。7月末のトレード期限前に、上原、アダムスの救援陣を補強。その上原や建山の登板機会が減少するほど、万全の布陣を整えた。攻撃面でも、他のチームなら確実に3、4番に座るはずのクルーズが7番を務め、MVPを獲得するほど、破壊力抜群の打線が完成した。

 世界一を目前にして敗れた昨季から1年。建山は言う。「このチームはキャンプ中からWシリーズで勝つことを考えてプレーしてきてますからね」。勢いではなく狙って取った覇権の重みは、明らかに昨季とは違う。