広島堂林翔太内野手(26)が23日、1軍に再合流した。左ふくらはぎを痛めて離脱した新井貴浩内野手(41)に代わる昇格。マツダスタジアムでの全体練習に参加し、今日23日からのソフトバンク3連戦に備えた。頼れる先輩のアクシデントに心を痛めつつ、2年連続の開幕1軍へ巡ってきたチャンスを、残り少ない機会でアピールする。

 堂林が予定より早く1軍に戻ってきた。少し肌寒い屋外の練習で元気に汗を流した。今季は春季キャンプからずっと1軍に同行。18日の楽天戦(静岡)後、出場機会を増やすために安部に代わって2軍に合流していた。首脳陣から告げられた期間はファーム3試合。だが結果的に新井の離脱によって1日短縮された。

 「新井さんのケガでこういうふうになって、何て言っていいのか分からないが…。逆にチャンスと思って頑張るしかない。新井さん(の代わり)までとは言わないが、持ってる力を最大限に出したい」

 前日21日に1軍復帰を通知され、荷物を届けにマツダスタジアムを訪れた。その時、左ふくらはぎを痛めていた新井が「厳しい」と漏らしていたという。開幕戦出場が絶望的な状況。堂林は複雑な心境ながら、先輩のためにも前を向くことが大切と感じた。

 2軍では打撃面で自分と向き合った。20日のウエスタン・リーグ阪神戦(由宇)は3打数無安打だったが、それ以外の時間は大野練習場で必死にバットを振り続けた。もともとインパクトのポイントを前にしたいタイプだが、球を見極めようと手元に呼び込みすぎていたと気づいた。「インコースに手が出ない構えになっていた」と修正を図る時間が持てた。

 「2軍の2日間でいい練習ができたし、いい方向にいくと思っている。信じてやるだけ。結果的に1軍に上がれたし、チャンスは少ないと思うが、いい内容を見せられたら生き残れる可能性も出てくると思う」

 オープン戦はここまで24打数6安打の打率2割5分。開幕1軍には、もっとアピールが求められる。左手を負傷していたバティスタがこの日、2軍戦で復帰後初アーチを放つなど、ライバルも猛追を図っている。開幕まで残りわずか。1打席、1球を大事に、集中力を高めていく。【大池和幸】