早くも臨戦態勢! 阪神の新外国人ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が大砲の片りんを見せた。30日、兵庫県西宮市の甲子園室内練習場で来日初の打撃練習を行った。左の打撃投手を相手に鋭い打球を連発。期待のパワーだけではなく外角球への対応力も披露した。春季キャンプ初実戦となる2月7日紅白戦の出場も前向き。キャンプに向けて、準備OKだ。

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打球音が一定のリズムで鳴り響いた。マルテにとっては来日初のフリー打撃。左の嘉勢敏弘打撃投手を相手に、ハーフパンツ姿の4番候補は次第にヒートアップした。力強く、スピードのあるスイングに長距離打者特有の大きなフォロースルー。鋭い打球が次々とネットに突き刺さった。

「やろうと思っていた。メンタルもしっかりと準備していた。早めに、という気持ちもあった」。2日前に来日し、疲労や時差ぼけも残っているはずだが志願の打撃練習だった。

活躍の予感はプンプン漂う。証言したのはマウンドからボールを投じた嘉勢打撃投手だ。「ちゃんとやってきているというのが分かる。力があるし、ツボに来たときはしっかり捉える。外のボールに対してもしっかり打っている」。際立ったのはミート力。球団関係者が「空振り率が非常に低い」と、獲得理由を挙げたのもうなずける。

すぐにでも実戦の打席に立てそうだ。2月1日から沖縄・宜野座キャンプがスタートするが、7日には初実戦となる紅白戦が予定されている。マルテは「監督、コーチが決めること」と前置きしつつ「準備は出来ているつもりだ」と、力を込めた。昨年12月中旬まで母国ドミニカ共和国のウインター・リーグに参戦していただけあって、仕上がりは早い。

「言われたところで準備するよ」。マルテは「準備」というワードを何度も口にした。フリー打撃を終えると、キャッチボール相手を座らせて投げていたドリスのもとへ歩み寄った。左の打席に立つと球筋を入念に確認。実戦のイメージを膨らませると、その後はトレーニング室で汗を流した。31日にはキャンプ地に向かう。南国沖縄の青空にアーチをかける日が待ち遠しい。【桝井聡】