オリックスからFAで新加入した阪神西勇輝投手(28)が1月31日、打撃練習に積極的に取り組む意欲を明かした。今キャンプのテーマに「自主性」を掲げる阪神矢野燿大監督(50)の猛ゲキに発奮。セ・リーグ移籍で打席数が圧倒的に増加するが、その準備を入念に行い、自分で自分を援護する意気込みだ。

沖縄でスイッチは切り替わっていた。約1時間の全体ミーティングを終えた西は「これから始まるなという感じ」と表情を引き締めた。心に響いたのはマイクを握った矢野監督の言葉だ。「自主性のことを言われていたので、しっかり自分で考えながらやっていきたい」。考えて自ら行動に移せ-。指揮官のゲキが胸に刺さった。

新天地では新たな挑戦もある。DH制だった昨季までとは違い、今季からはバットを握る回数が多くなる。特に先発投手の西にとってはなおさらだ。過去10シーズンで29打数2安打、2四球。犠打も3つ決めている。だが慢心はない。「しないといけないことなので、しっかりとやっていきたい」と、積極的に取り組む姿勢を示した。自分で自分を援護すれば、それだけ勝機も大きくなる。

キャンプ初日から自ら考えて動く。2月1日からスタートするキャンプでは、選手らが午前7時台の1便から午前9時台の3便まで3段階に分かれて宿舎を出発する。キャンプ初日の西は「始発」を選択した。バント練習など打撃練習にも割ける個別練習の時間を最大限に利用する。

オリックス時代の昨季はキャンプ初日から連日のブルペン入り。2月中旬にはシート打撃に登板した。一昨年に左手骨折で途中離脱をした影響から「投げていない分をキャンプで投げたい」と、ハイペースで仕上げたが、今回は「自分の体調と相談しながらやっていきたい」。柔軟な姿勢で虎初キャンプに臨む。【桝井聡】