楽天島内宏明外野手が2日、20代最後の誕生日を迎え、「全打順OK」「全試合フル出場」「日本一」を目標に掲げた。

沖縄・久米島キャンプでの打撃練習では若手に負けじと振り込みを継続。今季からチーム最年長外野手となったが、レギュラー定着に満足せずにガムシャラな姿勢を強調。誕生日会では後輩たちからケーキやバースデーソングの祝福も受け、さらなる力を得た。

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島内が気温23度の久米島で若手以上に汗を流した。全体練習中のフリー打撃などでスイングを重ね、個人練習でも球場や室内練習場で振り込んだ。そのたびにシャツを交換。「自分が外野手最年長なんですよね。レギュラーが確約されているわけではないし、若い頃の甘えのないガムシャラな気持ちを思い出してバットを振っています。1からのスタート」。慢心はない。

聖沢諒、枡田慎太郎が引退し、外野手最高齢としてリーダー役も求められる。「若手を引っ張るつもりなんてありませんよ」とニヤリ。ドラフト1位の辰己涼介外野手(22=立命大)ら新人選手の存在も刺激にする。17年は全143試合出場したが、昨季は指定打席到達シーズン自己最高の打率2割9分2厘を記録も、103試合出場止まり。「全試合フル出場したい」。だが、それは最低目標にすぎない。

昨季は「3番」として86試合に先発出場し、4月19日のソフトバンク戦では初の4番。5番も2試合務めた。今季は西武から浅村栄斗内野手が加入。3、4番での起用が濃厚なだけに「今年は下位を打つことが増えると思う。平石監督に、どの打順でも任せられるようなバッターになりたい」。1シーズン全打順先発でも、勝利に突き進む気持ちに変わりはない。

すべては「楽しくやりたいんです。勝たなきゃ楽しくない。そこに貢献できるか」。プロ2年目だった13年はチーム初の日本一を達成した。島内も97試合出場でリーグ優勝を導いたが、9月13日のオリックス戦で左肩を痛めて離脱。日本シリーズも代打出場1試合に終わった悔しさは、今でも鮮明に残っている。

この日は29歳の誕生日。後輩6人に「ハッピーバースデー師匠~」と歌われ、山崎剛内野手からはケーキを顔に塗られるほどの愛されキャラは健在だ。自分への甘さも、ケーキの甘さもぬぐい去った。すべては日本一でのビールかけのために。【鎌田直秀】