阪神矢野燿大監督(50)と85年阪神日本一監督・吉田義男氏(85=日刊スポーツ客員評論家)が、沖縄・宜野座キャンプで対談した。新旧監督のクロストークでは、優勝争いにも自信をみせた。【取材・構成=寺尾博和編集委員、酒井俊作】

   ◇   ◇   ◇

吉 若手で本格派のピッチャーが多いのは楽しみですな。

矢 晋太郎(藤浪)、小野、2軍には高橋遥人もいます。岩貞らも刺激されるでしょう。西、ガルシアの補強もありますが、能力の高い若い投手陣の底上げができれば面白いです。

吉 メッセンジャーが絶対に軸というローテーションでなくていい。秋山、藤浪も出てくる。よその球団がうらやむぐらいの、若手でローテーションを作ってほしいです。

矢 開幕戦もランディ(メッセンジャー)が登板するとは決めていません。才木も、望月、浜地にも可能性があります。はい上がってきたものを使っていくのが一番と思っています。

吉 阪神は世代交代のタイミングで、大きな転換期だと思います。非常に苦しいですが、メンバーを変えていかないと。また変わっていくとみています。

矢 打って勝つのが盛り上がるのはわかっています。でも、今すぐそのチームは作れない。うちの特長である投手力、センターラインを中心に、粘りながら勝つのが、うちの試合になると思います。選手起用も競争で勝ち上がってきたものを使いたい。それがわかりやすいです。

吉 その監督をアシストする鬼軍曹のようなコーチが必要です。キャンプでもアクセントつけるようなコーチの存在がね。ぼくのとき(85年日本一)は、土井(淳)と一枝(修平)がやかましく言ってくれた。

矢 では清水ヘッドにやってもらいましょうか。他球団? どこにも優勝のチャンスはあると思っていますが、今はタイガースをどうするかしか考えられないです。

吉 何が起きるかわからないし、また何かを起こさないと。責任は重いが、最下位からの再出発は思い切ったことができる。それとフロントのバックアップも大事です。

矢 はい。

吉 優勝争いへの参戦は絶対です。昨季の屈辱感をもって戦ってほしい。絶対いけると思います。

矢 ぼくも吉田さんと一緒で、いけると思ってるんです。

吉 まだまだ元気がでるはずです。2月中旬に再び沖縄入りします。どれだけチームが変わってるかを楽しみにしています。