新人がショート殴り込み!! 阪神矢野燿大監督(50)が宜野座キャンプ休日の8日、ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)を遊撃のレギュラー候補として明言した。今季初実戦だった7日の紅白戦でプロ1号の決勝3ランを放ったルーキーが話題に上がると言い切った。「木浪なんか面白いよね。元気もあるしさ。そういうのは俺らの基準で、チャンスが増えることもあると思うのよ」。紅白戦では三塁を守ったが、本職は遊撃だ。レギュラー争いの可能性を問われてうなずく。

「それくらい書いたってよ! あるんちゃう、ホンマに。スローイングいいもん。意外性、はまったらしっかり振り切れる打撃もあれば、レギュラーにまた、昨日も近づいたと思う」

それほど強烈な衝撃を周囲に与えた。力み返ってもおかしくない2回無死一塁のプロ初打席で、初球を冷静に送りバント。圧巻は同点の6回2死一、二塁だ。守屋から右翼に文句なしのアーチ。指揮官の口調に余韻があった。

「別に控えでええわとは思っていない。北條とか、ほかのポジションのヤツらも『木浪、結構気を抜かれへんな』と第2クールが終わってあるんちゃうかな」

今年の遊撃定位置争いは昨季、規定打席未満ながら打率3割2分2厘の北條や通算2066安打のベテラン鳥谷、俊足&名手の植田らが繰り広げる。そして木浪がもはや“体験入部”ではなく、堂々と参戦。指揮官は「今度は(実戦の)ショートに入れてみようかとなる」と続ける。次戦の11日紅白戦は遊撃先発が濃厚だ。「どんどん、チャンスをアイツは広げていけばいい。それが北條やトリや他のヤツの刺激にもなる。レギュラーあるんじゃないかな。可能性は十分」。一躍、新顔も候補に浮上した。

木浪はこの日、沖縄・読谷村内の室内練習場で約1時間、マシン打撃などを行った。「昨日、良い結果が出て終わって、オフだから何にもやらないのは…。確認でバットを振っておきたいと思って」と自覚十分。黄金なら隠せない。指揮官の発言はリップサービスにとどまらず、真に迫っていた。【酒井俊作】