楽天が誇る侍の「スペシャリスト」候補、高梨雄平投手(26)が貫禄を見せつけた。

久米島キャンプ最終日の9日、打撃投手としてドラフト6位の渡辺佳明内野手(22=明大)、同7位の小郷裕哉外野手(22=立正大)の新人左打者相手に38球。「打者の練習でもある」と球種を予告しながら、安打性の当たりは3本しか許さなかった。

昨年11月の日米野球で好投。視察した侍ジャパン稲葉監督も「独特の投げ方であったり、昨年見ていても右打者も左打者も打ちづらそう」と変則の中継ぎ左腕として期待を寄せる。本人は「今日は、ケガしていないぞっていう『生存確認』みたいな感じ(笑い)。需要と供給じゃないけど(これまでは)大会のタイミングで必要とされる選手だったというだけ。候補に残るようなクオリティーの選手ではありたい」。ぶれないスタイルが異彩を放つ。

日米野球の際に同僚の松井から教わった新球チェンジアップは投げなかったが、ブルペンでの感触は上々だ。「左打者にも試しますけど、今日の僕のやりたいことを考えたら、別にいいかなと思って。緩急があれば、また変わってくると思うし、チェンジアップを投げることで他の球種がぼやけてしまうリスクもあると思う」。独自の投球哲学を極めていく。【亀山泰宏】