オリックス竹安大知投手(24)が御前試合で上々の「デビュー」を果たした。阪神へFA移籍した西の人的補償で加入した右腕は10日、宮崎キャンプの紅白戦で初実戦を迎えた。紅組先発として登板。2回で31球を投げ、2安打1失点。「まだまだです。リリースポイントが安定していない。もっと精度を上げていかないといけないです」と振り返ったが、随所に力を感じさせた。

注目の初回は宗を相手に直球で追い込んだ後、真ん中低めのスライダーで空振り三振。山足を投ゴロに打ちとり、西野を低めの直球で空振り三振に仕留めた。「直球が思った以上に打者のタイミングがとりづらそうで反応が良かった」。対戦した西野は「中と外の投げ分けができてコントロールが良かった。思っていたよりも真っすぐの質がよかった」と脱帽した。2回には失点したものの、バットを2本折るシーンも。2イニングで3三振を奪った。

試合を見守った宮内オーナーも期待感を強めた。前日9日はチームに愛を込めた厳しい訓示をしたが、「阪神でも期待されていた1人。花を咲かすのはこのチームでやってほしいですね」と笑顔。西村監督も「点は取られましたけど、初めて見てかなり期待できるんじゃないかなと感じました」と評価した。

もちろん課題もある。山田久志臨時コーチは「良かった」と評価し、加えて「ランナーが出た時のセットが課題。体力をもっとつけていけばいいチャンスがもらえると思う」。竹安は今季の目標を「先発ローテに入って1年間守り抜きたい」と掲げた。覚悟を胸に、オリックス竹安としての挑戦が本格的に幕を開けた。【古財稜明】