日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が9日(日本時間10日)、メジャーリーグ最高打者を引き合いに、たたずまいを称賛された。今季初実戦となる紅白戦に「4番一塁」で出場し、1打数1安打1四球。元マリナーズ監督で、レンジャーズ・ベンチコーチのドン・ワカマツ氏(55)から、12年3冠王のタイガース・ミゲル・カブレラの若き時代の姿に類似しているとたたえられた。

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野球の本場・米国で、清宮が今季初打席に立った。昨年は右手親指の負傷でかなわなかった、米アリゾナキャンプでの実戦出場。1打席目の四球に続き、3回2死一塁の第2打席。「詰まった感じです」と謙虚に受け止めたが“今季初安打”を中前に落とした。「(球との)距離感は良い感じでしたけど、速さにはなかなか体が付いていかなかった」と、反省と課題を口にした。

安打を放った相手は、ドラフト同期入団の左腕宮台だった。「初めてでしたし、どういう風に見えるのかな」と、かねて対戦を熱望していた。2球目の直球系142キロを捉え、軍配は清宮に。栗山監督からは「ボールに入っていく感じは悪くない。でも、芯にあたっていないよね。打てよ、4番だろ」とハッパをかけられた。

バックネット裏で、栗山監督と並び熱視線を送っていたのがドン・ワカマツ氏だ。マリナーズの元監督で、昨季からレンジャーズのベンチコーチを務め、昨季終盤は監督代行も務めた。日本ハムがレ軍と18年から業務提携している縁で、視察した。この日初めて清宮の存在を知ったワカマツ氏は「全体的な風格としてミゲル・カブレラの若い頃を感じた」と印象を話した。

引き合いに出されたのは、ベネズエラ代表でWBCに4大会連続で出場しているメジャー屈指の強打者。12年にメジャー45年ぶりの3冠王を獲得するなど一時代を築いた。ワカマツ氏は「体格だったり、力もボディーランゲージを通して、どれだけ本人が自分の能力に自信を持っているか分かった」と、清宮に若きカブレラの姿を重ねた。

同氏は、将来的にメジャー志望がある清宮を支持した。エンゼルス大谷を例に挙げ「オオタニは、きちょうめんでしっかりしている。若い頃から規則正しく野球に真摯(しんし)に取り組んでいた認識がある、そういう選手が成功する。もしもキヨミヤ君がメジャーを目指しているなら、彼を参考にして同じ道を歩んで欲しい」と願った。

実戦調整がスタートした清宮に、日米から注がれるまなざしが強くなり始めた。