伝家の宝刀を進化させる。楽天松井裕樹投手(23)が11日、沖縄・金武町で始まった2次キャンプ初日にブルペン入り。

今季初めて投げるスライダーは、真っすぐと同じ軌道で打者の手元まで来ると、クッと曲がった。速く、変化は鋭い。全69球中9球で感触を確かめ「カットボールに近いスライダーです。これまでより握りを浅くし、直球を投げるイメージ」と説明した。

切れ味を変えた。高校時代、甲子園で1試合22三振を奪った時は落差が特徴的。「消える」と評されたが、プロ入り後は曲がりの早さなどから打者に見送られるようになった。転機は昨季後半の先発再挑戦。18年10月4日の日本ハム戦で、曲がりを抑えた高速スライダーを軸に7者連続を含む6回14奪三振を記録した。「カウントも取れるし、左打者からは空振りを取れる。信頼できる球として磨きをかけていきたい」とモデルチェンジに自信を見せる。

現役時代、最強と呼ばれた高速スライダーを操った伊藤1軍投手チーフコーチは「速いし、曲がり始めも遅い。いいボール」と絶賛。左腕は「今年はやるという意識は人一倍強い」と力を込めた。守護神の完全復活は近い。【島根純】