先発挑戦中のオリックス山本由伸投手(20)が、今季初実戦で奪三振ショーを演じた。11日、宮崎キャンプの紅白戦に白組の先発で登板。最速147キロの直球に5種類の変化球を絡ませ、2回を無安打無失点、4奪三振。打者6人で片付ける完全投球を見せた。

「初回はボール先行だったので、2回は切り替えてストライク先行で球数も少なくいけたのでよかった」

初回はボール先行ながらも緩急を使い、佐野、福田、白崎と3者連続三振。19球を要したため、2回には修正をかけた。2死から後藤に対して2ボールからワインドアップの投球動作のスピードを変え、混乱させる小技も繰り出した。「投球フォームのスピードをちょっとずらしました」。最後も空振り三振で締めた。

オフから取り組む新球シュートへの手応えも口にした。2回1死で迎えたドラフト2位頓宮への初球で試投。内角へ鋭く切れ込み、見逃しストライクを奪った。「打者の反応が嫌そうだったので、良い球になるんじゃないかと思います」とニヤリ。昨季は中継ぎで36ホールドポイント。金子と西が抜けた先発陣に割って入る右腕は、新たな武器にも磨きを掛けている。【古財稜明】

▽オリックス後藤(山本にタイミングをずらされ) ワインドアップからのクイックは、あれだけすごいボールを投げるのにまだ抑えたいかという感じ。球が速いので、タイミングがちょっとずれるだけでファウルになってしまう。さらにああいうことをされるのはすごく嫌だな。

▽日本ハム石本スコアラー(山本について) 真っすぐはいつも通りいい。間違いなく表ローテ。開幕かカード頭に入ってくると思う。

▽ロッテ高木スコアラー(山本について) 緩いカーブや小さいカットボール、シュートも1球1球全部良い。球種を増やして幅を広げている。真っすぐだけでも打てないのに。ちょっと(攻略が)厳しいですね。