阪神17年ドラフト1位で宮城・塩釜市出身の馬場皐輔投手(23=仙台育英-仙台大)が、プロ2年目の決意を明かした。12日の沖縄・宜野座キャンプは、ブルペン投球などでアピール。昨季に実力不足を痛感した最速155キロの直球の速さや力強さを導くため、新フォームにも挑戦中だ。背番号18の責任も背負い、2ケタ勝利を目標に掲げた。

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馬場が180センチ、90キロの恵まれた体から、ゆっくりとした投球フォームで直球を低めに集めた。軟らかい上半身に加え、マウンドの黒土が飛び散るほどの力強い下半身。「プロを1年間経験して分かったことがあります。ストレートが一流じゃないと、一流の投手にはなれない。一流の投手じゃないと一流の打者は抑えられない」。“飛躍の流儀”が明確となり、成長と結果の2つを追い求める。

体を大きく使い、リリースポイントを最大限前に徹底する新フォームを体に染み込ませている。「まだ結果を出していないから正しい保証はない」と慎重な姿勢を貫くが、直球の質を上げ、変化球の曲がりを理想に近づけるのが1つの答え。現段階では直球の軌道を1つにこだわる。「細かいコースは気にしないで、打者の膝のラインに強く」。前で強く腕を振り続けている。

昨季は1軍で2試合に登板し、0勝1敗。2軍での登板を含め奪三振はイニング数より多くても、四死球でリズムを崩す場面も目立った。「去年は何も知らない感じで進んでいって、プロの怖さもあった。マウンドで『どうしよう、どうしよう』って気持ちもあった。今年は逃げ腰になったら面白くない。ワクワク感もありますよ。常にポジティブ」。精神面の強さは増している。

7日の紅白戦初登板では、2回2安打無失点と結果も出た。「プロ初勝利が目標ではない。今年は2ケタを目指したい。最低でも5勝。先発にもこだわっていきたい」。スライダーやフォークなど多彩な変化球に頼った自称変化球投手から、剛速球投手への意識改革。まずは開幕ローテ奪取で、一流への扉を開く。【鎌田直秀】