巨人今村信貴投手が、イチロー斬りで開幕ローテ入りを確定させた。

マリナーズ戦に先発し5回5安打1失点。イチローとは2度対戦し、ともに打ち取った。制球に苦しみ毎回走者を背負ったが、100球を要しながらも最少失点でまとめ「ランナーを出してからの粘りのピッチングができた」と納得顔で振り返った。

20歳年上のレジェンドに挑んだ。2回無死一、二塁。イチローの一挙手一投足に歓声がわいたが、15日に25歳の誕生日を迎えた左腕は落ち着いていた。フルカウントから137キロの外角直球で中飛。4回1死一塁での対戦でも139キロの外角直球で二ゴロに抑えた。「ストレート1本でスーパースターと勝負したいというのが本音」と投じた9球全て直球だった。

10日阪神戦の5回無失点に続いての好投。原監督は「粘りという点においては、私のいない3年間で非常に成長した」と評価し、宮本投手総合コーチは開幕ローテ入りに「彼はどこか一角に入ってくる」と話した。イチローがメジャーデビューした01年、当時7歳だった左腕は「本当に貴重な時間を過ごさせてもらいました」と飛躍へのスタートラインに立った。【桑原幹久】