猛打快勝にノッて、いざ開幕!! 阪神が24日、オープン戦最終戦のオリックス戦(京セラドーム大阪)を快勝した。矢野燿大監督(50)は試合後、29日ヤクルト戦の開幕オーダーを明言。この日の布陣で初陣に臨む。4番を託される大山悠輔内野手(24)が豪快な先制アーチで一発回答。一挙7点奪取の火付け役となった。2年連続のオープン戦最下位も回避。1番木浪&2番近本の新人コンビが上位に並ぶ新生猛虎打線でツバメに襲いかかる。

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待ってろ開幕!! そんな覇気があふれた猛攻だった。ニュー猛虎打線がオリックスの期待株・榊原にキバをむいた。2回だ。先頭大山が4番の弾道を豪快に描いた。内角高め速球に腕をたたんで強振。高く舞う白球は左翼席に達した。これが号砲だ。8番梅野の左前打で満塁へ。1番木浪の適時打、2番近本の快足長駆生還、3番糸井の走者一掃適時打…。全員が持ち味を発揮した7点奪取だ。

3月上旬から打線が低調だったが、開幕直前最終戦で理想的に攻めた。2年連続のオープン戦最下位を逃れ、矢野監督は目を細める。「上位は、中心はもちろん打ってほしい。リュウ(梅野)とかが打つとビッグイニングになりやすい。そこが一番大きかったかな。俺的には」と深くうなずき、堂々と言い切った。「開幕は今日のメンバーで行きます」。3・29の開幕オーダーを明言した。

昨年10月に就任した指揮官の心はブレない。「生え抜きを育てなあかんから」が口癖だった。2月の沖縄・宜野座キャンプから結果が出なくても、4番を外さない。先発した全19試合で打順は不動。この日もアーチ後は3打席凡退し、大山も「(本塁打は)結果的には良かった。あと1試合だけだったので、その後は反省です」と厳しい表情だ。指揮官が「まだまだ成長を求めたい。あそこでもう1本、もう2本と打てるように」と手放しで褒めないのも、期待の表れだろう。

最下位だった昨季の布陣は装い新たになる。1番木浪&2番近本の新人2人の開幕先発は、72年にドラフト2位入団の中村勝広、同3位の望月充が出場して以来、47年ぶりだ。試合後に最下位脱出を知った指揮官は期待を込める。「大きなケガ人とか、離脱とかよりは、ここからのプラスを望めるような材料が多い。俺はキャンプから言っているようにすごく楽しみ」。悪夢などない。前だけ向いて本番に臨む。【酒井俊作】