今秋のドラフト候補に挙がる大型スラッガー鵜飼航丞外野手(4年)のバットが流れを引き寄せた。4回無死三塁。読みはズバリだった。「春の中大は、若いカウントでインコースを使ってきた」。0-1から、狙い通りのインコース低めの真っすぐを捉えると、打球はバックスクリーンへ。大学通算8本目となる、中越え2点本塁打に。「完璧でした。犠飛を打つ気持ちで打席に立っていたので、強振せずにいけた。うまく捉えることができました。よく飛びましたね」。会心の当たりに、力強くガッツポーズを見せた。

2回には、先制の足掛かりとなる中前打を放ち、5打数2安打2打点。チームはその後、5回、8回にも得点を重ね点差を広げ、勝利を確実なものとした。

春の課題を結果につなげた。「春は差し込まれることが多かったので、ワンテンポ速くタイミングをとることを考えました」。自分の間合いでスイングができるようになり、ラストシーズン、幸先のいいスタートを切った。

ドラフトまであと1カ月も、鵜飼はリーグ戦優勝を見つめている。「今まで、調子が悪くてもずっと試合で使ってくれた大倉監督に感謝しています。優勝して恩返しをしたい」。1年春からベンチ入りも、2年春までは結果を残すことができなかった。それでも試合で起用し、経験を積ませてくれた大倉監督のために。鵜飼は、ラストシーズンに4年間の思いをかけてバットを振る。