独立リーグの九州アジアリーグの火の国サラマンダーズは26日、神田康範代表取締役社長兼GMが熊本市内で会見し、日本野球機構(NPB)の2軍参加へ向けた今後の指針について説明した。

24年または25年からイースタン、ウエスタンのリーグ戦に参加する新球団を、NPBが公募するもの。火の国は、公募への申請に必要とされている説明会に参加していた。神田代表は「7月中旬までに運営費のメドが立った場合のみ、NPBに申請しようと思う」と方針を掲げた。現状では24年からの参加を考えており、その場合の申請締め切りは7月31日となっている。

NPB2軍リーグ戦に参加となれば、試合数が増えることによる球場使用料も増え、選手も増やす必要がある。遠征費もかかる。球団は現在、年間1000万円ほどの黒字となっているが、1億円程度は増収が必要と試算。雨天練習場の確保も求められる。そのため「課題は残っているので、今すぐ手を挙げるわけではない」と慎重に話した。

一方で、参加によるメリットも挙げた。試合数が現在の年間78試合からほぼ倍増。「興行チャンスが倍になる。相手はNPB。試合のレベル、注目度も上がる。選手は直接、プロ野球チームにアピールできる。メディアの露出も全国へと広がる」と期待をにじませた。

独立リーグの伸びしろを信じつつも、独立リーグでの活動には「頭打ち」を感じている面もあるという。今回の2軍リーグ戦参加は、将来的なNPBの球団拡張につながるものではないが「2軍で戦っていくことが、そこ(球団拡張)に近づくと信じている」と、将来的なNPB参入への意欲もにじませた。

なお、前日に臨時株主総会を開き、株主の同意を得たという。