<中日5-3巨人>◇11日◇ナゴヤドーム

 頼れるベテラン右腕が帰ってきた。この日、1軍に登録されたばかりの中日河原純一投手(37)が、6回の1イニングをピシャリ。「力は入っていたけど、甘い球もあった。今日は変化球が悪かったので直球でいった。谷繁さんのリードに助けてもらった」。2死一塁から長野を中飛に打ち取ると涼しい顔でベンチに戻った。

 今年のキャンプは独自調整を任され、2軍でスタートしたが、春先もなかなか調子が上がらず、開幕1軍を逃した。右肩に違和感を覚え、4月中旬からは約1カ月半も試合で投げられない日々が続いた。だが、気持ちを切らさず「早く温かくなれ!」と、じっとこの日を待ち続けた。

 野球浪人を経て昨季は貴重な中継ぎ右腕として復活した。年俸が600万円から3000万円に上がっても、愛車は昨年から愛用するマウンテンバイク。自宅からナゴヤ球場までは片道約30分の通勤を続けた。去年と変わらない姿は、マウンドでも一緒だった。

 落合監督も「あいつはあれだけのコントロールがあるから大崩れしない。あいつをずっと待っていた」と、今季初登板でホールドで飾った河原の1軍復帰を手放しで喜んだ。G追撃へ、中継ぎ陣に頼れるワンピースがまた1人加わった。【福岡吉央】

 [2010年7月12日12時7分

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