“マツコボール”をデラックスにする。オーストラリア自主トレ帰りの中日岩田慎司投手(25)が22日、切り札・無回転フォークをさらに進化させる考えを明かした。テレビ朝日系列の「マツコ&有吉の怒り新党」で紹介され、一躍、脚光を浴びた魔球。さらに磨きをかけ、自身初の2桁勝利を目指す。

 日焼けした顔から白い歯がこぼれた。「友達から連絡が来て(動画サイトの)ユーチューブでみました。取り上げてもらえることはありがたいっす」。岩田はオーストラリアでの自主トレ中、バラエティー番組「マツコ&有吉の怒り新党」で無回転フォークが取り上げられたことを知った。反響はとてつもなく大きかった。

 注目を浴びたのは、ゆらゆらと変化する岩田独特のフォークボールだ。極端に回転数が少ないため、揺れながら落ちるナックルのような変化球。空気抵抗を受けやすく、場合によっては浮き上がるような軌道を描くこともあり、捕球が難しいほど。毒舌キャラで知られるマツコ&有吉が「こりゃ、キャッチャー大変だわ」と驚いた魔球は、野球ファンのみならず、一般視聴者にも強烈なインパクトを残した。

 登板試合が急激に増えた昨季から注目を集め出した“マツコボール”だが、問題点はコントロールができないこと。岩田自身も「投げた後もボールに聞いてくれって感じ」と話す。実戦向きではなく、これまで多投することはなかったが、今年から自在に操れるように改良するという。

 「たまに意図的にできることもあるけど、精度が低いので、もっと使えるようにしたい。ブルペンでも多く投げてストライクと空振りが取れるようにしたい」

 昨季は自身最多の5勝を挙げた期待の右腕。注目度は格段に上がっている。「開幕からローテに入って10勝以上はしたい」。現在のところマツコ公認ではないが、進化形の“マツコボール”を駆使して三振を積み重ねれば、お墨付きを得ることができるかも。魔球使いがマツコをくぎ付けにする。【桝井聡】

 ◆『マツコ&有吉の怒り新党』

 テレビ朝日系の人気バラエティー番組。毎週水曜の午後11時15分から。マツコ・デラックスと有吉弘行が視聴者から寄せられた「怒り」についてキレ気味?に

 キレ味鋭いトークを繰り広げる。元日本テレビアナウンサーの夏目三久が司会役。番組終盤の人気コーナーが「新・3大○○調査会」(2大の時も)。さまざまなジャンルで一般には知られていない3大○○を紹介。漫画『新・巨人の星』の星飛雄馬のスライディング対策では、漫画中の高木守道監督も3大のうちの1つとして登場している。阪神藤浪も18日にこの番組の岩田の登場回とみられる動画をパソコンでチェックしたようだ。「たまたま見つけて、見ました。谷繁さんが捕り損ねたりしていた。すごい球でした」と話している。