巨クンいきなりプロ初戦!?

 ソフトバンクドラフト1位の亜大・東浜巨投手(22=沖縄尚学)が20日、同3位の亜大・高田知季内野手(22=岡山理大付)と東京・府中市の榊原記念病院を慰問した。その場に西武栗山巧外野手(29)も飛び入り参加。一緒に子どもたちを励ましながらも、闘志に火が付いたように、公式戦での対決を楽しみにした。

 真っ白なソフトバンク背番号「16」の東浜の隣には、なぜか青と白のユニホームを着た栗山がいた。栗山の育英高校時代の監督が、亜大生田監督と先輩後輩の間柄で、今回の東浜の病院慰問を聞いた西武の主将が喜んで参加した。

 栗山は「他球団の選手と一緒は珍しいが、チームを越えてどんどん協力していけばいい。いろんなユニホームの選手がいれば子どもたちも喜んでくれる。東浜は素直そうな好青年ですよね。マウンドになったら変わるんでしょうね」と投球を楽しみにしていた。

 一緒に並んで約1時間、子どもたちにサインを配り触れ合った。東浜は「栗山さんとこんなに話したのは初めてです。行動を見て紳士な方だと思いました」としみじみ。「普通の会話です」と中身は明かさなかったが、言葉を交わしてプロ選手のオーラを感じていた。

 今季打率2割8分9厘の栗山はソフトバンク戦で3割6厘と脅威を増す。マウンドから対峙(たいじ)すれば、東浜にとって要注意人物なのは間違いない。

 栗山は「ナオ君、また」と声をかけ、先に帰って行った。予期せぬ、プロ前哨戦?

 まずは今季11年目の栗山が存在感で圧倒した。東浜にも大きなプラスとなった。「人間観察が趣味」といい、相手のしぐさなどで狙い球を感じ取るタイプ。栗山がどういう人物か、距離が縮まった分、分析する材料も増えたわけだ。

 東浜は「来年もまたぜひ一緒にやりたいですし、プロ野球選手として、個人的にも社会貢献をしていきたい。そのためにも活躍していかないといけない」と決意を新たにした。ライバル球団の中心選手と行動を共にした病院慰問は、実り多きものとなったようだ。【石橋隆雄】