沖縄にトラの穴ができる。阪神ドラフト1位の大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(18)の基地が完成する。阪神が来年2月の春季キャンプで使用する「残波岬ロイヤルホテル」に建設中の屋内練習場の全容が22日、明らかになった。トレーニング施設が充実。プロ門出の地として最高の環境だ。

 藤浪の基地が完成する。大型屋内練習場に、専門器具の充実したウエートルーム。プロ門出の地は、準備を大切にする藤浪にとって最高の環境が整う。

 阪神が2月の春季キャンプで宿泊する「残波岬ロイヤルホテル」に建設中の屋内練習場。その全容が明らかになった。もともとあったテニスコート4面分の敷地を用意。総面積約550坪の巨大練習場だ。

 雨の日も、宿舎内でボールを握ることができる。テニスコート2面分の練習場では、ピッチングマシン3台を並べて打ち込めるようになっている。ホテル担当者は「阪神さんの要望に応える形でネットも配置しました」と説明。人工芝を敷き詰め、野球用の防球ネットを準備。長い距離のキャッチボールも可能となる。

 またウエートルームも併設される。屋内練習場に隣接する形で、テニスコート2面分の広さのウエートルームを作る。こちらも阪神の要望に応える形で専門器具を設置。一般的な器具に加えてホテル側がすべて購入した。シューズさえ持ち込めば、いつでもウエートトレーニングに励むことができる。さらに設置される大きな鏡で、フォームチェックも可能というわけだ。

 常に準備を大切にする藤浪にとっても、これ以上ない環境になる。藤浪は西宮市内の独身寮・虎風荘入寮へ向け、大阪桐蔭の先輩西田に必要なグッズの指南を受けるなど寮生活の準備は万端。シーズンへの準備を整えるキャンプでも、最高の環境で最高のスタートが切れるはずだ。

 藤浪は現在、大阪桐蔭で体を動かしている。すでに統一球を握り、ブルペンでも試投済み。狭いとされるストライクゾーンに対応するため、目的を持って腕を振り続ける。プロのスタート地点に立つ藤浪に、死角はない。【池本泰尚】

 ◆虎の新基地

 阪神は来春キャンプから宿泊先が残波岬ロイヤルホテル(沖縄県中頭郡読谷村)に変更となる。同ホテルは地上13階建て。客室は477室。那覇空港から車で約70分で、阪神のキャンプ地、宜野座村までは車で約50分。残波岬は約30メートルもの断崖絶壁が約2キロ続く景勝地として知られる。なお、2軍のキャンプは例年通り、高知・安芸で行う。