広島ドラフト1位の高橋大樹外野手(18=龍谷大平安)が、最多安打バットでヒットを量産する。24日、大阪・富田林市内で行われた河南シニア主催の激励会に参加。1月から始まる新人合同自主トレに向け、目標とする巨人長野モデルのバットを、新たに2本注文していることを明かした。高校通算43発のスラッガーが新入団会見で掲げた目標は「最多安打」。あこがれの人に近づくために、まずは道具からまねる。

 あこがれの人と同じ“相棒”をオーダーした。打撃がセールスポイントの高橋が選んだのは、最多安打のタイトルを獲得した巨人長野モデルのバットだった。目標の選手として公言し、目指すタイトルも最多安打。理想のプレーヤーに近づくために、これまでに打撃フォームをまねたこともあるが断念した。形が無理ならば、道具をまねてみようということだ。

 「今までは太いのが好きだったんですけど、逆方向に打てて自分が目指している打者なので」

 木製バットを使用し始めたのは、夏の甲子園が終わってからだ。18U世界選手権に出場するために練習を始めた。その際に握ったバットは、910グラム前後で芯が先端付近にある長距離打者モデルのもの。好みの太めタイプを継続して使っていた。日本代表でもチームトップの4割2分1厘を記録し、慣れ始めていたが向上心は抑えきれない。

 新たな“相棒”は「こんなに細いので打てるのか」と本人が話すように、全体が細くなっている。一般的には細い方が振り抜きやすく、ヘッドが走り、しなるためにライン際の打球が切れにくいという。一方で、重量は920グラム前後と現在のモデルよりも重くなるため、使いこなすのは簡単ではない。

 新たなバット2本が手に届くのは、来年1月9日の入寮日だ。キャンプが始まる2月1日までに、従来のものと振り比べて試合で使うバットを決める。

 「僕は握ったときにいいなと思ったバットを使う。感触が合えばいいです」

 素振りをするときは、数を決めずに納得するまで振り続けるという。あこがれの人がどんなバットを使っているのか。これから、体に染みこませていく。【鎌田真一郎】

 ◆高橋大樹(たかはし・ひろき)1994年(平6)5月11日、大阪・藤井寺市生まれ。道明寺東小3年から「大井リバーサイド」で野球を始め「河南シニア」では中3でAA世界大会出場。龍谷大平安では2年夏と3年夏に甲子園出場。18U世界選手権(韓国)では日本代表の中軸として打率4割2分1厘。今秋ドラフト1位で広島に指名される。182センチ、80キロ。右投げ右打ち。