ボクシングWBO世界スーパーバンタム級6位の大竹秀典(37=金子)が米国で日本男子最年長となる世界王座奪取を狙う。25日に米アリゾナ州グランデールで同級王者アイザック・ドグボエ(23=ガーナ)に挑戦することが7月31日、発表された。14年11月以来の世界再挑戦が決まり、同日に横浜市の勤務先となる飲食店で会見。「不可能を可能にする」と元3階級制覇王者長谷川穂積が保持する35歳9カ月の最年長記録を更新する意欲を示した。
37歳1カ月で世界再挑戦する大竹は冷静だった。勝てば日本男子最年長の王座奪取となるものの、高年齢かつ米国の試合。拳を交えるドグボエは米プロモート大手トップランク社と契約を結び、ガーナ代表として12年ロンドンオリンピックにも出場したエリートで、プロでも19勝(13KO)の無敗王者となる。劣勢とされることは承知の上で「37歳は(プロボクサー)定年ですけれど、不可能を可能にするのがボクの仕事。米国で王座を取って日本で防衛戦をしたい」と静かに燃えた。
14年11月、英リバプールで当時のWBA世界スーパーバンタム級王者クイッグ(英国)に大差判定負けして以来、3年9カ月ぶりの世界挑戦だ。この間、勤務先の協力で練習時間が増加。16年末から飯田勇司トレーナー、約1年前から川人将裕トレーナーを招いた新たなサポート体制を敷き「負けたら引退と言われるので絶対に米国で王座を取って帰りたい」と確固たる自信を示した。
所属ジムの金子会長は「まだ大竹に伸びしろがある。彼の故郷・福島で世界戦をしたい」と期待を寄せた。東日本大震災に見舞われた郡山市出身の大竹は「タイトルを取れば地元で防衛戦をやりたいし、福島の姿をアピールしたい」と凱旋(がいせん)試合の野望も口にした。会見後に調理師補助として働く制服姿も披露する余裕もみせた。落ち着き十分の37歳大竹がドグボエ料理に向け、入念に腕を磨くつもりだ。【藤中栄二】
◆大竹秀典(おおたけ・ひでのり)1981年(昭56)7月6日、福島県郡山市生まれ。日大東北高建築科卒業後、宮城・仙台で専門学校の東北文化学園で建築関係を専攻。22歳で郡山ジムで本格的に競技を始め、23歳で上京し金子ジム入門。05年にプロデビュー。12年8月に日本スーパーバンタム級王座を獲得し4度防衛。17年3月、東洋太平洋同級王座を獲得し2度防衛。家族は両親と弟。愛称は必殺仕事人。身長172センチの右ボクサーファイター。

