今年1月に世界初挑戦で敗れたボクシング日本スーパーバンタム級11位高橋竜平(29=横浜光)が、イム・ジヌク(28=韓国)を5回TKOで下し、再起戦を飾った。

2回には右ストレートを決めるなど、持ち前のトリッキーな動きの中で着実に有効打を重ねた。これが自身初めてのメイン。マイクで締めを任された高橋は「ここから上を目指して頑張っていきます」と初々しく再スタートを誓った。

1月、殿堂マディソンスクエアガーデンでIBF世界同級王者T・Jドヘニー(アイルランド)に挑戦し、11回TKO負けした。同地で世界戦に臨むのは日本人ボクサーとして初のことだった。

「びびりました。ふわふわしてた。(会場が)ギラついているんですよ。あのリングは忘れられない」

帰国後、引退も考えたが、「ボクシングに見放されている人はあそこに立てないと思う」。自分の運と力を信じ、再起を決めた。

勝利はしたが満足はない。「世界戦の時に王者はフェイスオフからオーラが違った。目力が違った。ゴングが鳴る前から圧倒された。今日は世界戦で学んだことをみせてやろうと思ったんですが、ニコニコしちゃった(笑い)。まだまだです。貫禄をつけられるように」。貴重な経験で目の当たりにした強さとオーラを求めていく。

まずは「国内を目指す」とまだ手にしていない日本タイトルを狙う。気になる選手に同級の中川麦茶(角海老宝石)の名前を挙げ、「ぜひやってみたい」と対戦を希望した。