ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)が約2年ぶりの国内防衛戦に臨むことが確実となった。12日、所属ジムの大橋秀行会長(56)が明らかにしたもので、12月開催で調整中。20年10月、21年6月と2戦連続の米ラスベガス防衛戦で快勝。正式決定すれば19年11月のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝戦以来、約2年ぶりの凱旋(がいせん)マッチとなる。

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モンスターに2年ぶりの国内マッチという朗報が届いた。12日に大橋会長から「年内に日本で開催で進めている」と明かされた次期防衛戦。横浜市内の所属ジムで調整した井上は「やっぱり日本でやりたいですよ。日本なら、あれ(19年のドネア戦)から2年ぶりですか。日本でやるならお客が入る形でやりたいです」と声をはずませた。既に1万人クラスの会場での開催で調整が進んでいることもあり「1万人の会場なら5000人ぐらいかなと。チケット争いもすごくなるのでは」と実現を期待した。

バンタム級の4団体統一を目標に掲げるものの、対抗王者のWBC同級王者ノニト・ドネア(38)、WBO同級王者ジョンリール・カシメロ(32=ともにフィリピン)ともに各団体から指名試合の指令を受けており、対戦相手が決まっている状況。そのため王座統一戦は来年以降に設定し、世界ランカーの挑戦者として迎える選択試合になる。大橋会長は「マッチメークも大詰めです」と説明した。

10月に入り、本格的なスパーリングも開始した。「どんな相手になってもいいように。身体のコンディションを整えていこうと思っています」と話す井上はこの日、所属ジムでジム期待のホープ松本圭佑と4回のスパーリングを消化。「年内(の試合)に向けて調整です」と気合を入れ直した。

2戦連続でラスベガスに乗り込んで防衛に成功してきたモンスターが、久しぶりの日本で破壊力十分の両拳を披露することになりそうだ。

「僕の試合を見てください。見てくれれば満足させる自信はあるので。試合を楽しみにしてくれ、ということです」

まだ正式決定はしていないが、井上は「世界戦モード」に入っている。【藤中栄二】