今月28日に80歳になる国内最年長の現役プロレスラー、グレート小鹿(79)が、2つのがんとコロナワクチン後遺症を乗り越え、リングに復帰する。24日の新潟プロレス、サン・ビレッジしばた大会を控えた前日23日、小鹿は昨年の12月21日に胃がん、今年2月2日には大腸がんと、2つのがんの手術を受けたことを明かした。

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胃がんの手術は昨年12月18日の新潟プロレス、新潟市東区プラザホール大会で戦った3日後のことだった。胃がんは「ステージ1」だったが、検査の際に大腸がんも発覚。「馬場さんも大腸がんで亡くなったので、検査の結果を聞いたときは、次の言葉が出なかった。リングに戻れますか。早く手術をやってくださいとお願いしたよ」と言う。

幸いステージ1からステージ2の間ということで、次の手術が2月2日に決まった。胃がんの手術では川崎市内の病院で1週間入院、大腸がんの手術後は2週間入院した。「胃がんの手術の翌日にはリハビリで歩いたが、大腸がんのときは痛くて歩けなかったね。でも、もう1度リングに立ちたいと、退院してからは1日5000歩から6000歩を歩いて、体力も少しずつ戻ってきたよ」と話す。

ガンの手術はごく身近な関係者にしか明かしていなかった。1月、2月を欠場し、先月3月に新潟プロレスのリングであいさつしたときは「右ヒザの故障」と欠場の理由を説明していた。

復帰に向け体力づくりに励む中、3月9日に3度目のコロナ用のワクチンを接種。万全を期したつもりが、今度は後遺症に悩まされた。「体がふらついて、まともに歩けなくなった」。多くの医者に相談したが原因不明。それでも、小鹿は24日の新潟プロレス、サン・ビレッジしばた大会で復帰を決めた。

28日には80歳になる。「休んでみて、リングが恋しくなった。ボクにはプロレスしかない。力道山先生の弟子として、プロレス文化がどうなっていくのかも心配。まだまだリングの上で見ていきたい。しつこいようだけど、リングに戻りたいんですよ」と小鹿は言う。

24日は、79歳最後の試合。6月まで休んで、7月か8月には、新潟プロレスタッグ王座のベルトをかけて、防衛戦も予定している。80歳になっても小鹿の歩みは止まらない。【桝田朗】