キックボクシングのRISE世界フェザー級王者・那須川天心(23=TARGET/Cygames)が、因縁の対決を制した。K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者武尊(30=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)との58キロ契約3分3回(延長1回)に臨み、5-0の判定勝ち。キックの公式戦で負けなしの42連勝とし、花道を飾った。ボクシングに転向する那須川は名門・帝拳ジムでデビューすることが有力となった。

    ◇    ◇    ◇

那須川が最高の環境でボクシング世界王者を目指す方向であることが分かった。前WBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太ら世界王者12人を輩出した名門ジム・帝拳ジムへの入門が有力だ。今後、帝拳ジム側と本格的に契約交渉に入る見込みだという。

那須川の父弘幸トレーナー、那須川が主戦場としてきたキックボクシングRISE伊藤隆代表と帝拳ジム本田明彦会長は以前から良好な関係にあり、関係者によれば契約交渉もスムーズに進みそうだという。本田会長はプロボクシング界で世界的なネットワークを持っており、マッチメーク力もトップクラス。那須川にとってボクシング転向の所属ジムとして申し分ない。

那須川が中学3年から帝拳ジムに出げいこするなど、関係は深かった。帝拳ジムで97年から20年間、トレーナーを務めていた元東洋太平洋スーパーバンタム級王者葛西裕一氏(グローブス代表)の指導を受けてきた経緯もあり、那須川のボクシングには「帝拳イズム」が流れている。

この武尊戦のために一時的に中断していたが、ボクシング転向に向けたジムワークは帝拳ジム中心で続けてきた。同ジムでは、世界2階級制覇(フェザー級、スーパーフェザー級)を成し遂げた粟生隆寛トレーナーの指導を受け、22年中のボクシング転向を見据えてきた。両者間の契約交渉がスムーズに進めば、年内には帝拳ジムからプロテストを受験、プロデビューすることになりそうだ。

◆那須川天心(なすかわ・てんしん)1998年(平10)8月18日、千葉県生まれ。5歳で極真空手を始め、小5でジュニア世界大会優勝。その後キックボクシングに転向し、14年7月にプロデビュー。15年5月にプロ6戦目で史上最年少16歳でRISEバンタム級王座に輝いた。16年12月にRIZIN初参戦。18年6月には階級を上げ、初代RISE世界フェザー級王者に。プロ通算成績は46戦46勝(31KO)。20年6月から始めたユーチューブの登録者数は89・2万人。165センチ。

◆帝拳ジム 所在地は東京都新宿区神楽坂。1946年(昭21)8月、帝国拳闘会拳道社として設立。後の初代コミッショナー田辺宗英がジム会長就任。本田明マネジャーが2代目会長就任も65年に死去し、立教高3年だった17歳の次男明彦現会長が引き継いだ。70年10月に大場政夫がWBA世界フライ級王座を獲得。86年7月には浜田剛史がWBC世界スーパーライト級王座獲得。その後、ホルヘ・リナレス、西岡利晃、粟生隆寛、山中慎介、村田諒太ら世界王者12人を輩出。

 

那須川天心が判定勝ち!武尊負けた 世紀の一戦は判定5-0/THE MATCH詳細>>

【ラウンドガール】写真特集 那須川天心-武尊らTHE MATCH 2022豪華15試合に花を添える>>