プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が気分一新の「自宅からGO」作戦で4団体統一を狙う。

12月13日、東京・有明アリーナで開催されるWBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦を控え、19日には横浜市内の所属ジムで最終調整。同じ興行のアンダーカードで世界前哨戦を控える元WBC世界同級暫定王者の弟拓真(26=大橋)とジムワークを消化した。

今回、新たな調整方法を取り入れているという井上は「自宅での調整、ジムワークと2本立てでやっている」と明かした。過去の世界戦ではホテル生活するケースが多かったが、今回は「自宅からGO」で気分を一新する狙いのようだ。また大橋秀行会長(57)の意向で、井上ら興行出場する選手の練習時間帯はジム4階フロアを“貸し切り”状態としている。調整に集中できる環境となり、井上は「励みになります」と感謝した。

試合まで残り1カ月を切り、バトラー対策にも本格的に着手した。スパーリングパートナーとして10月下旬に東洋太平洋フライ級王座を獲得した同門の新王者桑原拓(27)を新たに加えたという。今週から早速、桑原とのスパーリングも開始し「自分の知る限り、身近な選手で言うと一番似ています」と手応えを示した。また約6年ぶりに10ラウンドのスパーリングも今週2度も消化。異例となるロングスパーリング敢行となったが「今週は追い込もうと思った。長いラウンドもバトラー対策。自分が主導権を握りながら試合をつくり、長いラウンドを動かないといけないと思っている」と意図を明かすなど、バトラー撃破のイメージを膨らませていた。