<プロボクシング:WBC世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦>◇11日◇ベルリン

 元WBC世界ヘビー級王者ビタリ・クリチコ(37=ウクライナ)が約4年ぶりの復帰戦で世界王座に返り咲いた。11日、ドイツ・ベルリンで同級王者サミュエル・ピーター(ナイジェリア)に挑戦。豪快な右ストレートなどで初回からペースを握り、8回終了TKO勝利。弟のIBF、WBO王者ウラジミールとともに、同級では史上初の同時期の兄弟世界王者となった。

 37歳の恐るべき底力だった。約4年ぶりでも、少しもブランクを感じさせなかった。1回ワンツーで10歳年下のピーターをふらつかせると、その後は一方的な内容で圧倒した。試合後は2団体の世界王者の弟と抱き合って、勝利を喜んだ。右ひざの故障で、04年12月の試合を最後に一時引退。故障が完治した昨年から、兄弟同時の世界王座獲得を目指し、練習を続けてきた。悲願を達成した試合後は「弟とともに勝ち続ける。兄弟対決はないよ」と笑顔を見せた。ビタリの戦績は36勝(35KO)2敗。