日本相撲協会は11日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、高砂部屋付きの親方で、昨年12月まで師匠を務めていた先代高砂親方の錦島親方(65=元大関朝潮)の退職を発表した。同協会が作成した新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反したためで、錦島親方は既に今月1日、退職届を提出。前日10日、協会側が錦島親方本人と面談の上、退職願が受理された。

 

◆錦島末弘(にしきじま・すえひろ)1955年(昭30)12月9日、高知県安芸郡(現室戸市)生まれ。本名・長岡末弘。近大3年から2年連続でアマ、学生横綱の2冠を獲得。78年春場所、本名の「長岡」のしこ名で幕下付け出し初土俵。7戦全勝優勝し、翌場所も西幕下6枚目で6勝1敗とし、翌名古屋場所で新十両。十両も2場所で通過し同年九州場所で新入幕。80年夏場所で新三役、3年後の83年夏場所で新大関に昇進した。85年春場所で13勝2敗で初優勝。89年春場所5日目に引退した。現役時は183センチ、183キロ。突き、押しと左四つからの寄りを得意に通算564勝382敗33休。優勝1回、三賞は14回(殊勲賞10回、敢闘賞3回、技能賞1回)獲得。金星は5個。現役引退後、年寄山響として高砂部屋で後進の指導にあたっていたが、90年3月に若松を襲名して若松部屋を継承。02年2月には先代と名跡交換して高砂を襲名するとともに、若松部屋の全員が高砂部屋に移籍し、現在の部屋となった。00年2月からの4期(8年)で日本相撲協会の理事を務めた。