西十両10枚目の照強(伊勢ケ浜)は、28歳の誕生日を白星で飾ることはできなかった。
169センチの自身よりも、21センチも長身となる190センチの北の若に、立ち合いで潜り込む動きから左を差した。そのまま前に出て、土俵際で投げの打ち合いに。行司軍配は照強だったが、照強のひじが先に土俵についており、物言いの末、差し違えで小手投げで敗れた。通算800出場の節目で2勝8敗となり、5場所連続の負け越しが決まった。
照強にとっては特別な日だった。兵庫県の淡路島で生まれた28年前の95年1月17日は、阪神・淡路大震災が起きた日でもある。取組後は、故郷への思い、被災者への思いを語った。
照強 「やっぱり、自分の誕生日の祝い事だけでなく、28年前に、ああいうこともあった日。そういう縁で見てくれている人もいる。午前中、テレビを見ていても、28年前の阪神・淡路大震災の映像がたくさん流れている。意識はしましたね。(黙とうは)やりました。あれから時間もたちましたけど、震災でいろいろあった人たちにとっては、あの日のことを忘れられない人もいる。自分もその気持ちを忘れずに、しっかりとやっていくだけかなと思います」。
先場所は幕内で、31年ぶりとなる15戦全敗を喫した。今場所も不調で、前日9日目までは、オンラインによる取材に応じていなかった。だが特別な日への思いの強さを示すように、負け越しが決まっても、堂々と取材に応じていた。

