3場所連続休場明けの横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、新小結の宇良(31=木瀬)を下して白星発進した。本場所での白星は昨年7月の名古屋場所初日の阿炎戦(押し出し)以来、189日ぶりとなった。

ともに1度は序二段まで落ちた苦労人対決を制したのは、照ノ富士だった。自身は大関から序二段まで番付を下げた後に横綱まで上り詰めたのに対し、宇良は幕内経験者が序二段まで番付を下げた後に史上初めて新三役になった。過去の対戦は照ノ富士の5勝1敗と圧倒していた中で、この日も合口の良さを生かした。新三役の初陣で壁となり、1人横綱が好発進を切った。

昨年は苦難の連続だった。名古屋場所から腰のケガに見舞われて3場所連続休場。腰の骨の一部が折れていたことも後に発覚するほど重症だった。本場所での15日間皆勤は夏場所だけにとどまり、横綱昇進後は在位14場所で8度(九州場所時点)の休場を余儀なくされた。横綱審議委員会(横審)からは初場所出場を求められ、休場の場合は何かしらの「コメントなどを出す」と受けた。「コメント」は横審による「激励」「注意」「引退勧告」の3つの決議とは限らないというが、それまでの長い目で見るスタンスから明らかに変わり始めていた。

迎えた勝負の1年。今月9日の横審稽古総見では大関貴景勝と霧島、関脇大栄翔と計13番相撲を取り復調ぶりを示し、積極的に出稽古へも出向いた。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は稽古量がいまだ足りていないと不安を口にしたが、本人の意思を尊重。場所に向けて順調に調整できたという手応えがあったことで出場に踏み切った。間近で接してきた師匠すら果たしてどこまで戦える状況か分からないという中だが、横綱である以上出場するからには常に優勝に準ずる成績が求められる。好発進を切ったが、まだ先は長い。

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