B2熊本ヴォルターズが10月10日の試合後に、昨季限りで13年の現役生活に別れを告げた小林慎太郎さんの引退セレモニーを実施した。2013年のクラブ創設時から8年にわたって故郷を盛り上げ、多くの人に愛された“ミスターヴォルターズ”の最後の雄姿を1701人の観客が見届けた。

かつてのチームメートによるビデオメッセージが流れ、会場には学生時代の恩師らも駆けつけた。最後のあいさつで小林さんは、ビデオメッセージや恩師らの言葉にも度々名前が挙がった実母を「名物母ちゃんです」と紹介してコート中央に招き入れ、「こうして皆さんに送っていただける姿を見せたのが最大限の親孝行」と、実父が他界した15歳の時から女手一つで育ててきた母に感謝の意を示した。

2016年には熊本地震の影響でチーム存続の危機を迎えるなど苦難も多かったが、小林さんはプレーだけでなく言葉や行動にも魂を込めてチームを引っ張り、それらを乗り越えてきた。ベンチで見守る熊本の選手に視線を送った小林さんは「彼らが僕の心を受け継いでくれる。皆さんも熱い応援と大きな愛でチームを包んであげてください」とファンに語りかけたが、永久欠番となった“背番号7”は今後も故郷の盛り上げに一役買ってくれるはずだ。

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