米国のクリンスマン監督とフランスのデシャン監督が、Ｗ杯史上３人目の偉業に挑む。この２人の共通点は選手で優勝を経験していること。クリンスマンは西ドイツ代表ＦＷとして９０年大会で優勝し、デシャンはフランス代表ＭＦとして９８年の自国開催で優勝した。選手と監督の両方で優勝となれば、ザガロとベッケンバウアーに肩を並べることになる。

　もちろん今大会では、どちらか一方しか達成できない。前回大会ではマラドーナとドゥンガが、この快挙を逃した。ザガロとベッケンバウアーはともに母国を率いて優勝したが、今回のクリンスマンのように国籍とは別のチームを指揮して優勝となれば史上初となる。ただ、米国の優勝は現実的に厳しいかもしれない。

　より可能性があるとすればタレント豊富なフランスを率いるデシャンか。９８年大会の優勝時には主将としてチームをまとめあげた。今大会では選手を良き方向へ導き、Ｗ杯を再び掲げることができるか注目だ。【石川秀和】