大阪都構想の実現に向けて、3度目の住民投票が行われる可能性がふくらんできた。大阪で生まれ育った者として、過去数十年に及ぶ地盤沈下、大阪経済の低迷には、ずっと頭を抱えていた。大阪都構想、さらには副首都大阪の実現についてどうなっていくのか、一個人としては皆目わからない。

ここでは「超私的・副首都構想」として、実現性度外視のファンタジーを述べてみたい。

そもそも論として「東京一極集中」の弊害はずっと以前から問題視されていた。国政・官僚機構の他、企業も大学も都内に集中した結果、通勤ラッシュに悲鳴をあげる毎日。海外からの投資も手伝って、都内のマンション価格は1億超えが当たり前になった。過密になりすぎて、もはや限界なのは誰の目にも明らか。数年前、話題になった官庁の地方分散化など、どれほどの効果があったのか。東京都知事は数年前の選挙で「満員電車ゼロ」を公約にしていたが、果たしてどうなった?

で、私は思う。国会議員も官僚も本気で東京一極集中を解消しようなんて考えていないのだ。国の未来、国民の生活よりも議員は「次の選挙で、いかに再選されるか」で頭がいっぱいなのではないか。

ひとりの有権者として、わたしは「遷都」を望む。現在の首都・東京を副首都として、国会や官庁の機能の7割を新たな首都に移転するのだ。

そして新首都として、福島を推したい。2011年の震災、原発事故以来、政府は「復興」を叫ぶが、これも本気で取り組んでいるとは思えない。福島の住民の多くは今も地元に戻れない現実。本気で復興させるなら、福島を新たな首都にすればいい。それも原発事故現場に近いところ。国会議事堂、衆参議員会館、議員宿舎、各政党の本部と各官庁。これらを福島に移転しよう。

人が集まれば、経済も動く。東北新幹線から新首都までアクセス線を新設すればよい。首相が福島からメッセージを発信すれば「福島の魚は危険」というようなガセ情報も吹き飛ぶのではないか。国会議員には毎日、地元産の魚や野菜を食べてもらおう。政府をあげて「福島は安全」を海外にアピールできるではないか。

もちろん、事故の影響による安全を確認できたギリギリの地域を新首都にする。「怖い」「行きたくない」という連中は国会議員になる資格なし。国会議事堂は福島に移築して、永田町や霞ケ関は民間の力で再開発しよう。都心の広大な土地を売却すれば、莫大なカネになる。それを新首都のために使おうじゃないか。

東京は、今よりグッとスケールダウンして「副首都なりの」設備・機能のみを残す。少しは過密解消になるだろう。「素人が戯言(たわごと)をいうな」と言われるかもしれない。しかし、一極集中の解消と福島復興のために、より優れたアイデアがあれば教えて欲しい。

最初に書いたように、わたしは大阪で生まれ育った。子どもの頃から見てきたのは故郷の発展ではなく、府政・市政のだらしない姿ばかりだった。大阪は元気になってほしい。ただ、それ以上に東京の過密は深刻な問題であり、本気になって取り組むべきテーマではないか。先の総選挙で与野党が公約とした「消費税の減税」もそうだが、自分に都合よく、できない理由を並べる政治はもういらない。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミへキタへ~」)