X(旧ツイッター)をひまつぶしに見ていると「えっ?」と驚かされることがたまにある。
10月2日だった。「突然ですが軍艦解散です。この前のライブのコーナーで、俺が取り返しのつかないくらいスベり続けたことが原因ではありません。色々な経験をさせてもらえた5年間でした。どうもありがとうございました」と書き込んだのは、軍艦の梅野健太郎(29)。
同じ日、相方の仁(じん=28)も「解散した。相方ゆる募!」と短いメッセージを出した。おとぼけ気味のポストではあるが、コンビが解散したことは間違いない。
軍艦(ぐんかん)という漫才コンビをご存じの人は、それほど多くはないかもしれない。2人ともNSC(吉本の養成所)大阪44期。一時は、よしもと漫才劇場に所属していた。
今年で芸歴5年目。初めて彼らの漫才を小さな劇場で見たのは、3年前だったか、4年前だったか。
大阪では数多くの漫才コンビが活動しているが、個人的な経験をいうなら、予備知識ゼロで初見の漫才を見て「おもしろい!」と感じることは稀(まれ)。多くは2度、3度と繰り返して舞台を見ることで、笑いのポイントをフォーカスできるようになるものだ。
それゆえ、初めて見る漫才コンビでは、ほとんど笑うことがない。そんななかで、軍艦は例外だった。
名前もよく知らない、これまでの経歴も知らない。まっさらな状態ながら、どこか光るモノがあった。昔の貧乏学生を思わせるようなロン毛とデニム。ただ、話し出すと、自然なリズムと、流れるようなトーク。「この2人、ただ者じゃないぞ」と驚き「うまく伸びれば、大物になる!」と予感が走った。
当然のようにオーディションを勝ち抜いて、よしもと漫才劇場のメンバーになった。しかし、厳しい競争の世界。安定して劇場に定着することは難しかった。
M-1グランプリの戦績は、2021年、22年と準々決勝まで勝ち進みながら、23年は3回戦どまり。スランプという言葉で簡単に片付けてよいのかどうか。24年はエントリーもせず、25年は2回戦で敗退した。
そして今年は1回戦を通過しながら、2回戦を前に解散発表。
2人に何があったのかは当事者にしかわからない。コンビとしての活動は、わずか5年。本音をいえば、もっと大きなステージで軍艦を見たかった。残念。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミへキタへ~」)




