アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌などで知られる俳優で演出家の熊倉一雄さんが12日午後3時24分、直腸がんのため都内の病院で亡くなった。16日、熊倉さんが代表を務める劇団テアトル・エコーが発表した。葬儀は親族のみで執り行ったという。

 1927年(昭2)1月30日に東京に生まれ、旧制都立高(現東京都立大)在学中に芝居を始め、53年に日本テレビに入社も、56年にテアトル・エコーに入団。57年には古巣日本テレビで放送した「ヒッチコック劇場」でアルフレド・ヒチコック監督の声の吹き替えを担当し声優として成功。NHK「ひょっこりひょうたん島」の海賊トラヒゲ役や、日本テレビ系「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」などでナレーションを担当した。

 また井上ひさしさんを芝居の世界に誘い、「日本人のへそ」「11ぴきのネコ」など6作品を上演し演出家としても活動した。91年に紫綬褒章、98年に勲四等旭日小綬章、99年に紀伊国屋演劇賞個人賞などを受賞。今年は日本放送協会放送文化賞を受賞していた。

 12月1日に東京・恵比寿のエコー劇場でお別れ会を行う。