沢口靖子(51)長沢まさみ(29)らを輩出した「第8回東宝シンデレラオーディション」のグランプリ発表会が13日、都内で行われ、大阪の高校1年、福本莉子(ふくもと・りこ)さん(15)が選出された。来年撮影を開始する東宝製作映画でのスクリーンデビューが決まっており、賞金300万円が贈られた。

 福本さんは初めて経験したオーディションで、シンデレラに選ばれた。マント、ティアラ、シンデレラのガラスの靴を贈られ「すごくびっくりして、言葉に表せないくらいうれしいです。いろんな世代に愛される女優さんになりたいです」と、目をうるませた。

 応募は友達のすすめだった。映画やドラマ、音楽も好きだが、自分でやることを考えたことはなかった。しかし、29人が進んだ10月の合宿審査で、演技やダンスのレッスンを受け「自分でやることで、人に喜んでもらいたい」との気持ちが固まった。

 東宝役員、映画監督、プロデューサー、評論家ら30人以上の審査員が、福本さんの存在感を認めた。今回から全員面接をコンセプトにしたオーディションになったが、当初から福本さんが気になるという審査員が多かったという。東宝芸能関係者は「きれい、かわいいだけではないたたずまい、オーラがある。透明感も抜群」と話した。

 15歳らしさ、年齢以上の落ち着き、活発さなどいろいろな魅力が同居している。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の恋ダンスを練習していると言えば、カラオケで歌うのは星野源とONE OK ROCKと、男性を挙げる。賞金で欲しい物は特になく、出てみたいドラマのジャンルはサスペンス。中学ではサッカー部に所属していたが、好きな選手を聞かれると「いないです。やる専門なので」とクールに答えた。大阪弁で喜びをと言われると、小さな声で「めっちゃうれしいです」。

 シンデレラの落ち着きに、先輩たちも驚いた。前回審査員特別賞の上白石萌音(18)は「どうしたらそんなに落ち着いていられるのか、逆に教えて」、山崎紘菜(22)も「しっかりしていてびっくり」。グランプリの上白石萌歌(16)は「母親のような気持ちになって」と、ステージ裏で号泣したことを明かした。

 年内にも演技のレッスンを開始する。実行委員会は「女優としてはまだからっぽの状態。いろんな経験や勉強を積んで、多くの人に愛されるような表現者となってもらいたい」と期待を寄せた。【小林千穂】

 ◆福本莉子(ふくもと・りこ)2000年(平12)11月25日、大阪府生まれ。趣味、特技は、水泳、ピアノ、そろばん、英会話。中学ではサッカー部に所属し、ポジションは右サイドハーフ。好きな女優は、長沢まさみ、北川景子。156センチ。