スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(68)が29日、千葉・幕張メッセで行われた、ニコニコ超会議2017で記者の囲み取材に応じた。

 鈴木プロデューサーは、宮崎駿監督(78)が初めてCGを使って製作し、三鷹の森ジブリ美術館で上映する予定の短編アニメ「毛虫のボロ」については、「画は終わって、後は音だけです。7月の美術館のリニューアルには、皆さんに見ていただけると思います」と、順調に製作が進んでいると語った。

 「毛虫のボロ」は、16年にNHKで放送されたドキュメンタリー「終わらない人 宮崎駿」で製作過程に密着した映像が流された。その中で、手書きにこだわってきた宮崎監督が、初めて使うCGに苦悩、苦闘する様子も紹介された。

 鈴木プロデューサーは内容について「かなり面白いんで! かなり面白いんで、期待してください!! 準備も含め、見てきましたけど、久々に彼のすごいものを見ました」と自信を見せた。

 書家の顔も持つ鈴木プロデューサーはこの日、千葉・幕張メッセで行われた、ニコニコ超会議2017に設置された、自身初の展覧会「スタジオジブリ鈴木敏夫 言葉の魔法展」(広島・熊野町筆の里工房で8月27日開幕)のブースを訪問。大きな筆を使い、約20畳の布に書を書くパフォーマンスを生披露した。この日、描いたのは「となりのトトロ」でおなじみの、まっくろくろすけだった。

 鈴木プロデューサーは、パフォーマンスで見せた書道について「全く、自己流なんです。書く時は何も考えない。集中しちゃうんです。周りのお客さんのことも忘れきりますね」と強調。一方で、腰が痛くなったと明かし「(筆の重さが)僕の想像を超えました。(まっくろくろすけの)右眼の上の方を書いた時、腰がグキっときた。後で誰かに見てもらわないと」と言い、苦笑した。【村上幸将】